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最新記事【2006年06月12日】

血圧が正常な範囲を超えて高い状態が続くと、やがてさまざまな合併症を引き起こします。厚生労働省の調査によると、高血圧患者の数は年々増加しています。厚生労働省の「人口動態統計」の平成16年のデータによると、高血圧性疾患による1年間の死亡者数は5,706人となっています。その内訳は、「高血圧性心疾患及び心腎疾患」が 3,372人、「その他の高血圧性疾患」が2,334人です。

心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力、いわゆる血圧が一定以上に高い状態を「高血圧」といいます。心臓が収縮して血液が送り出されているときの最も高い血圧を「収縮期血圧」(上の血圧)、心臓に血液が戻ってきているときの最も低い血圧を「拡張期血圧」(下の血圧)と呼びます。

高血圧だと、わたしたちの体にどんな負担がかかってくるのでしょう。
血管を流れる血液の圧力が高くなると、常に血管が刺激され、動脈が傷みやすくなり、これは血管の損傷につながります。また、血液を高い圧力で送り出しているのは心臓ですので、心臓が多くのエネルギーを必要として疲れやすくなります。高血圧は、血管や心臓に悪影響をもたらすのです。

高血圧の状態が続くと、心臓は過重労働に対応しようと心筋を増やして、大きくなっていきます。これを心肥大といいます。心臓の大きさはその人の体格に比例し、普通は握りこぶし大ですが、胸部X線撮影で心臓の最大横径と胸郭の最大横径の比(心胸郭比)が50%以上になると心肥大としています。

また、血管は高い圧力に破れないようとして壁を厚くします。そして、高い圧力によって血液の成分が動脈の内壁に入りこみ、それにコレステロールが加わるなどして動脈硬化を引き起こします。

自分が高血圧がどうかを判定するには、血圧を正しく測定することから始まります。ところが血圧というのは、常に一定なものではありません。一日のうちでもめまぐるしく変動し、測定する条件によっても異なってきます。

血圧を最も厳密に測定するには、動脈に針を挿入して、直接圧力を記録することですが、この方法は一般的ではなく、腕帯型水銀血圧計による間接的な測定法が広く用いられています。

測定を行なう際には、測定の条件をできるだけ一定にすることが必要です。医療機関では、正確な測定を行うために、血圧測定のガイドラインに沿った測定を行なっています。また、日本高血圧学会家庭血圧測定条件設定作業部会がまとめた家庭血圧測定ガイドラインというものによると、装置、測定部位、装置の精度確認、測定条件、測定回数・測定期間、記録、集計、評価についての概要が示されています。

血圧は測定方法によって以下の3種類に分類されます。

・外来随時血圧
診断治療の基準になります。
・24時間血圧
24時間携帯血圧計により測定した血圧で、早朝や夜間の血圧情報も得られるため、診断治療の参考にします。
・家庭血圧
家庭血圧計により測定した値であり、診断治療の参考にします。

通常、高血圧というのは日を変えて数回測定した外来随時血圧が、最大血圧140mmHg以上、あるいは最小血圧90mmHg以上の場合を指します。外来血圧のみが高く、24時間血圧や家庭血圧が正常な場合は「白衣高血圧」あるいは「診療所高血圧」と呼ばれます。逆に外来血圧は正常(140/90未満)なのに、24時間血圧で高血圧(135/85以上)な場合は「白衣正常血圧」とか「仮面高血圧」と呼ばれます。

血圧は医療機関だけでなく、家庭でも測定することができます。家庭血圧測定ガイドラインでは、測定部位、測定条件、測定回数・測定期間を以下のように定めています。

・測定部位
腕は伸ばした状態で上腕の筋肉の緊張を解くため、前腕を机、テーブルの上に置き、必要ならば枕などの支持を用います。原則的に利き腕の対側を用いますが、左右差の明らかな場合は常に高く出る側の血圧測定をお奨めします。

・測定条件
朝の家庭血圧は起床後1時間以内、排尿後、座位1~2分間の安静後、服薬前、朝食前で測定されることが望ましいとされています。一方、晩の家庭血圧は就寝前、座位1~2分間の安静後とします。

・測定回数・測定期間
家庭血圧は朝晩それぞれ少なくとも1回は測定します。 また、家庭血圧はできるだけ長期間測定します。

家庭で血圧測定をすると正常値なのに、医療機関で測定すると血圧が高くなるという人がいます。これは「白衣高血圧」といい、医師や看護士さんの白衣を見ただけで緊張してしまう、あるいは何かこわい病気が見つかるのではないかと気にしていると、それによって血圧が一時的に上昇してしまうというものです。軽い高血圧の人のうち、約2~3割がこの白衣高血圧であるとも言われています。

白衣高血圧かどうかは、医療機関の血圧だけでは判断できません。家庭血圧や24時間血圧を測って、医療機関での血圧と比較することで、初めて正しい診断ができます。

それとは対照的なのが、「仮面高血圧」です。これは医療機関で測る血圧が普段の血圧より低くなる状態で、医療機関では正常値なのですが、診療時以外での24時間血圧計や、家庭血圧計による測定値では高血圧を示す隠れ高血圧の症状のことを指します。

白衣高血圧は、心血管系の大きなリスクではないことがわかっていますので治療は不要なのですが、仮面高血圧は脳卒中や心筋梗塞などになる危険性が高いとの報告があるため、注意が必要です。

仮面高血圧はどうして起こるのでしょう。ストレスを感じやすい人は、診察の待ち時間にリラクゼーション効果があり、気持ちがほっとして診察時の血圧が低く出てしまいます。日常は高血圧の状態が多いため、未治療だと持続性高血圧と同等に、脳卒中、心筋梗塞のリスクが高くなります。

ヘビースモーカー、仕事が多忙な人、ストレスの多い人、心肥大や腎障害のある人、降圧薬の効果が持続していない人などに仮面高血圧が疑われます。

仮面高血圧は以下の3種類に分類されます。
・日中上昇型
日中にストレスの多い人で、病院での待ち時間がリラクゼーションとなって起こります。

・早朝高血圧型
夜間就寝中に血圧が下降しないタイプと、就寝時は正常で起床してから急激に血圧が上昇するタイプの2種類があります。

・夜間持続型
本来下降すべき血圧が十分下降しない、あるいは上昇して心血管系に負担がかかり続けます。その結果、心筋梗塞や脳梗塞、臓器障害のリスクが高くなります。

2004年末、日本高血圧学会より、日本における高血圧治療のガイドラインである「高血圧治療ガイドライン2004」が発行されました。本ガイドラインの作成にあたっては、以下の4点が留意されています。

1)日本人特有の心血管病にも重点を置く
2)日本人に適した非薬物療法・降圧療法を考慮する
3)血圧の日内変動を十分に考慮した治療を心がけ、家庭血圧の日常臨床への応用に配慮する
4)高血圧治療は長期にわたるため、医療経済にも配慮する

降圧目標は、年齢や合併症との関係によって目標値が異なっています。 75歳以上の後期高齢者においては、臓器障害を伴っていることが多く、降圧薬治療が重要臓器の循環障害をもたらす可能性があるため、慎重な降圧治療を行なうことが重要になってきます。

(降圧目標)
・高齢者(65歳以上):140/90mmHg未満
・若年・中年者:130/85mmHg未満
・糖尿病・腎障害患者:130/80mmHg未満

日本高血圧学会の2004年版ガイドラインでは、成人の血圧を7種類に分類しています。これによると収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上のどちらかであれば高血圧症ということになります。

至適血圧:120mmHg かつ 80mmHg
正常血圧:130mmHg かつ 85mmHg
正常高値血圧:130~139mmHg または 85~89mmHg
軽症高血圧:140~159mmHg または 90~99mmHg
中等症高血圧:160~179mmHg または 100~109mmHg
重症高血圧:≧180mmHg または ≧110mmHg
収縮期高血圧:≧140mmHg かつ <90mmHg

メタボリックシンドロームでは、血圧高値を130mmHg以上 かつ/または 85mmHg以上と定義していますので、上記の正常高値血圧から該当することになります。

日本高血圧学会の2004年版ガイドラインで示された「至適血圧」は理想的な血圧とされ、問題のない「正常血圧」、高血圧ではないが正常値よりもやや高めの「正常高値血圧」があります。メタボリックシンドロームでは、上記の正常高値血圧から該当することになります。

厚生労働省の平成12年(2000年)の調査結果では、日本高血圧学会のガイドラインに基づく高血圧症の人の割合は、男性では40~49歳で約40%、50~59歳で約51%、60~69歳で約61%、70歳以上では約69%という結果が出ています。女性はは男性よりも少ないのですが、それでも40~49歳で約21%、50~59歳で約41%、60~69歳で約57%、70歳以上では約66%と、年齢が高くなるにつれて高い比率を占めるようになります。高血圧症がいかに多い病気であるかということが、調査結果から伺うことができます。

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メタボリックシンドローム対策ガイド

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