« 2006年06月13日 | Top2006年06月15日 »

最新記事【2006年06月14日】

動脈は心臓が送り出す血液が流れる血管で、静脈は全身から心臓に戻ってくる血液が流れる血管です。動脈は、内膜・内弾性板・中膜・外膜で構成され、心臓が強い力で押し出した血液が流れるので、弾力性と柔軟性を持ち合わせています。ところが、加齢とともに厚みを増し、そこに老化を促進するいくつかの要素が加わることにより、血管が詰まったり、破裂しやすくなる動脈硬化を引き起こします。これが細い動脈に起きた場合を細動脈硬化、比較的太い動脈に起きた場合をアテローム硬化(粥状動脈硬化)と呼んでいます。

動脈硬化が進んだり、それがもとで心臓病や脳卒中になる原因を危険因子といいますが、その主なものは以下の通りです。
・高血圧
・コレステロールをはじめとする血液の脂質の異常
・糖尿病
・加齢(男性:45歳以上、女性:閉経後)
・喫煙
・肥満
・運動不足
・感情的なストレスに満ちた状態
・偏った食事内容
・嗜好品(アルコール、コーヒー、紅茶)

アテローム硬化(粥状動脈硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなり、血流が悪化した結果、血管が完全にふさがってしまうこともある動脈硬化です。アテローム硬化(粥状動脈硬化)は、動脈硬化の中でもっとも代表的で、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)がその原因となっています。

食品に含まれる脂肪は、脂肪酸という分子にグリセロールが結合してできていますが、この分子は消化の際にいったん分解され、小腸から体内に吸収されると、分子同士が再度結合して血液中に放出されます。その中のコレステロールという脂肪酸は、細胞膜や胆汁酸(消化液)やホルモンの材料になり、使われなかった分は肝臓に吸収されます。善玉コレステロール(HDL)は、抹消の筋肉や血管から肝臓へ回収される途中のコレステロールを指し、動脈硬化予防効果があります。肝臓で合成されたコレステロールが抹消の筋肉や血管に運ばれる途中のコレステロールが悪玉コレステロール(LDL)です。

アテローム硬化(粥状動脈硬化)はいったいどうやって起きるのでしょう。

血管の内膜の一番内側にある内膜上皮細胞。ここにすき間があいたり、傷ができたりすると、悪玉コレステロール(LDL)が集まって傷口を防ごうとします。善玉コレステロール(HDL)は、余分な悪玉コレステロール(LDL)を肝臓に運ぶ働きをしています。内膜上皮細胞のすき間や傷口から、善玉コレステロール(HDL)が運びきれない悪玉コレステロール(LDL)が血管内の内膜に入り込み、血管奥の壁を傷つけたりします。入り込んでくるのは、悪玉コレステロール(LDL)だけではありません。カルシウムや血小板、血管奥の傷からも細胞が入り込んできて、内膜の中はドロドロしてこぶのようにふくれ上がってきます。最終的にそのすきまは血小板によってふさがれますが、これが血栓になってしまうことがあります。

この現象が全身の各組織に血液を送り込んでいる心臓の冠状動脈で起これば、心筋梗塞や狭心症になり、脳の働きを支配する中枢部で起これば、脳卒中や脳血管性痴呆症となります。

動脈硬化の予防として重要なのは、太らないことです。そして、喫煙を止め、高血圧、高脂血症、糖尿病に気をつけ、血液を常に“サラサラ”の状態に維持することです。女性は更年期以降にコレステロールが増えていく傾向にありますので、該当する人は更なる配慮が必要です。

動脈硬化の3大危険因子として、喫煙、高血圧、高脂血症があります。また、食生活の欧米化やライフスタイルの変化によって、肥満、ストレス、糖尿病なども加わってきました。それ以外にも、動脈が年齢以上に硬くなる原因として、喫煙、過度の飲酒、塩分・油分過多の食事、慢性的寝不足、ストレスなどが挙げられます。

動脈硬化はあらゆる生活習慣と深い関係にあり、生命の危険を伴う重大な病気を引き起こします。動脈硬化の予防は中高年になってからではなく、若いうちから取り組むほうが効果的です。動脈硬化の進行そのものを遅らせるだけでなく、健康的なライフスタイルを無理なく築くことができるからです。

動脈硬化の危険因子の中で、最も重要で改善可能なものが喫煙です。
たばこの煙には多くの物質が含まれていますが、動脈硬化促進に働くものとして、一酸化炭素、ニコチン、そしてフリーラジカル(代表は活性酸素)が挙げられます。

喫煙は、動脈内壁が損傷する危険性を高める一酸化炭素の血中濃度を上昇させます。これによって、血液に直接当たる血管内皮細胞が痛みます。血管内皮細胞が傷つくと、一酸化窒素という動脈をメンテナンスする成分が出なくなり、動脈が硬くなります。そのうえ、血管内皮細胞が傷つくことにより、傷ついた内皮から脂質などの悪玉コレステロール(LDL)が内皮に流れ込み、血管壁がさらに硬くなるのです。

なお、他人が吸っているたばこの煙を吸いこむ受動喫煙もリスクを上昇させます。たばこの煙は避ける必要があります。

動脈硬化の危険因子の中で、一番危険とされているのが肥満、特に内臓脂肪を蓄えることです。なぜなら、内臓脂肪は肥大化することにより、いろいろな生理活性物質(アディポサイトカイン)を出して動脈硬化を助長するからです。例えばPAI-1と呼ばれる生理活性物質は、血液をドロドロにするのを後押しし、HB-EGFは血管を狭窄(きょうさく)させます。レプチンはもともと善玉のホルモンですが、抵抗性が出ると血圧を上昇させます。これらが複合的に作用することによって、動脈の血管壁が硬く、もろくなってしまうのです。

男性と女性では、動脈硬化症へのなりやすさが異なります。女性ホルモンの影響と考えられていますが、女性の方が男性よりも動脈硬化にはかかりにくいとされています。

どのようにすれば、動脈硬化になった血管を正常に戻せるのでしょう。理論としては、血管細胞から一酸化窒素を排出するようにすればよいのですが、そのためには適度な運動が必要です。適度に運動すると内細胞が刺激され、一酸化窒素が出やすくなります。また、イライラしないでリラックスすることは一酸化窒素排出に効果的です。

動脈最適食材としては、EPA(エイコサペンタエン酸)、ギャバ、ビタミンPなどがあります。
EPAは、鯖、鰯、さんまといった青魚に豊富に含まれています。
ギャバは、発芽玄米に多く含まれていて、玄米茶などもよいといわれています。近年では大麦、南瓜、醗酵食品(チ-ズ、味噌、醤油)、温室メロン、漬物(しば漬、すぐき、キムチ、ぬか漬)、ヨ-グルト、豆腐、粥などのあらゆる食品で、ギャバ含量を増加させるための様々な製造法の研究が進められています。
ビタミンPは特に傷ついた内細胞の修復に有効で、パプリカ、そば、マンゴーなどに多く含まれています。

心臓の筋肉を養っている動脈を冠状動脈といいます。この冠状動脈が動脈硬化を起こすと、心臓に送られてくる血液量が少なくなります。血液の量が少なくなると、心臓の筋肉が酸欠や栄養不足の状態に陥りやすくなり、心臓の働きも低下します。その結果、急に体を動かしたり、過労、緊張、過食、喫煙などが原因で心臓の活動が活発になったときに急激な酸素不足が生じ、胸が痛いとか、締めつけられるように苦しいといった症状が表れます。これがいわゆる狭心症です。

狭心症を大きく分けると、労作性狭心症と異型狭心症(冠攣縮性狭心症)に分けられます。労作性狭心症とは、階段や坂道を昇るとき、走ったとき、重いものを持ったとき、興奮したときなどに、胸痛や胸部圧迫感などの狭心発作がみられ、休むと数分で治まるものを指します。異型狭心症は、通常は冠動脈は正常に働いているのですが、突然けいれんのように細くなって、狭心症の症状をきたすものを指します。

狭心症の発作は、安静にしていれば数秒から数分で治まるのが普通ですが、病気が進行すると血液が滞りがちになり、血液の凝固も起こりやすくなります。そうしてできた血栓が冠状動脈をふさいでしまうために、心筋への血液供給が停止してしまいます。心筋細胞はたちどころに壊死して、心筋梗塞となるのです。心筋梗塞は自然に治ることはまずありません。最悪の場合は、不整脈、心臓麻痺などの合併症を起こし、そのまま心臓が止まってしまう急性心不全になることもあります。

狭心症の最大の原因は動脈硬化であり、この進行を少しでも遅くすることが大切です。冠状動脈硬化は、カロリー摂取オーバーと、肉類、卵、ミルクなどの動物性脂肪の過剰摂取も原因になります。また、過度の運動は発作を誘発することがあるので危険です。アルコールの飲みすぎや、喫煙も高血圧につながるので控えましょう。また、急激な温度変化や寒さなどは、発作を誘発することがあるので気をつけましょう。

1950年にフリードマンというアメリカの医師が、心臓病外来の待合室にいる患者には、他の科の患者に比べて、「せっかち」「そわそわ」「イライラ」という様子が観察されたと言います。一般的には、仕事熱心、負けず嫌い、せっかち、支配欲・成功欲が強い、思い通りにならないとイライラする、自信家などの特徴を兼ね備えた人が、心臓病になりやすいとされています。

こうした性格の人がすべて心臓病になるというわけではありませんが、こうした性格の人は普通の人よりストレスを抱えやすい性格であることは確かです。ストレスを解消するために酒やたばこに頼ったり、またストレスをうまく解消できないということもあるでしょう。

心臓病にならないためには、この逆の性格になればよいわけですが、性格をいきなり変えることはできなくても、逆の行動を心がけるだけでずいぶんと違います。何事も完璧を目指さずほどほどに、思い通りにならなくてもイライラしないようにしたいものです。

メタボリックシンドローム対策ガイド

岩盤浴やデトックスなどの健康関連の話題がよくメディアで取り上げられていますが、メタボリックシンドロームもまたよく耳にする言葉の一つですよね。メタボリックシンドロームは日本人の生活習慣の乱れが招いたともいえる病気ですが、症状がはっきりと出ないため、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。当サイトでは、メタボリックシンドロームに関する知識をはじめとして、日本人がおちいりやすい病気や、生活習慣病に関する知識や予防法をご紹介します。