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最新記事【2006年06月17日】

定期健康診断の結果で、ある検査の数値が正常値の範囲を超えていた。
でも、体になにか明確な症状が表れているわけではない。

倦怠感を感じたり、肩こりや腰痛など体に痛みや不快感を感じることがある。
便秘や不眠に悩まされている。
でも、検査の結果はすべて正常の範囲だった。

このような経験をされた人は、意外と多いのではないでしょうか。

こうした状態は「未病」と呼ばれています。
日本未病システム学会では、
「自覚症状はないが、検査では異常がある状態」
「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」
このふたつを合わせて、「未病」と定義しています。

わたしたちはつい、「健康でなければ病気」「病気でなければ健康」と考えてしまいがちですが、実際は健康でも病気でもないあいまいな状態というのが存在します。それがまさに「未病」なのです。

健康な人が、ある日を境に急に病気になるわけではありません。健康な状態から徐々になんらかの症状が出始めて、最終的には本当の病気にかかってしまう。健康を白、病気を黒とたとえると、その間にはグラデーション状になったグレーゾーンが存在することがわかります。健康と病気はまったく違う次元にあるものではなく、実は見えない状態でつながっているのです。

「自覚症状はないが、検査では異常がある状態」
「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」
この状態を「未病」と説明しましたが、これはグレーゾーンのどこかの地点にいることを示しています。これを放置すれば、確実に本当の病気に近づいていきます。

「未病」に気づいた時点で対策を打てば、真の健康を取り戻すことが可能です。ところが、わたしたちはちょっとした体の不調や数値の異常は、忙しさにかまけてそのままにしてしまいがちです。

一口に「未病」といっても、医学的見解の違いからふたつに分類することができます。ひとつは「自覚症状はないが、検査では異常がある状態」で、これを「西洋医学的未病」、もうひとつは「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」で、これを「東洋医学的未病」としています。

西洋医学と東洋医学の具体的な違いを見てみましょう。
西洋医学は、症状を出発点としてさまざまな検査を経て、収集された情報を病気ごとの診断基準に照らし合わせて診断を行います。
東洋医学は、症状を出発点とするのは同じですが、患者個々人の微妙に異なる身体所見を、その人の社会環境、生活環境、気候条件などを考慮して、治療方針を選択します。

一般的な医療機関で行なわれている西洋医学は、検査データを重視するため、検査結果により異常が見つかれば対応することができますが、データに表れない症状に対してはあまり有効な治療法はありません。

「自覚症状はないが、検査では異常がある状態」を「西洋医学的未病」と説明しましたが、これはある病気と非常に似通っているのに気がつかれた人もいるかもしれません。それは生活習慣病です。

西洋医学的未病には、以下の病気がカテゴリーされています。
・メタボリックシンドローム
・メタボリックシンドロームと直接関わる病気(肥満、高脂血症、軽症高血圧、境界域糖尿病)
・高尿酸血症
・潜在性心不全
・動脈硬化
・無症候性脳こうそく
・骨粗しょう症
・たんぱく尿
・貧血
・脂肪肝

自覚症状がないままに重篤な病気に進んでいく可能性がある生活習慣病については、既に『生活習慣病とされる病気の種類』で述べてきましたが、こうして比較してみると、オーバーラップしている部分が多いことがおわかり頂けると思います。

「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」が「東洋医学的未病」ですが、東洋医学では体を構成する基本要素を「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(血液以外の体液)」としています。この3つのバランスが取れている状態を健康、くずれている状態を不健康と考えます。

不健康といっても、明確な異常が現れている場合は病気と診断されます。しかし、そうした異常が見られなくとも、「気」「血」「水」のバランスがくずれている、つまり心身に不調がある場合は、未病として治療の対象になります。現代医学は西洋医学のため、検査をしても異常が見つからず、不定愁訴として片づけられてしまいますが、これが「東洋医学的未病」なのです。

未病という言葉の発祥地である中国では、軽い心身の不調でも本格的な病気の前兆と考えられました。近年、西洋医学で注目され始めた「予防医学」の考え方は、東洋医学では数千年も前に取り入れられていたのです。

「未病」は、器質的変化(組織や細胞が元の形態に戻らないような変化が起こることを指す)や臓器障害の有無で、未病Ⅰと未病Ⅱに分類することができます。

未病Ⅰは検査で器質的な変化が見られませんが、検査値が正常値の10%以内でずれる場合があります。この段階では、生活習慣の改善、サプリメントを活用することなどで、自分で改善していくことが可能です。

一方、未病Ⅱは検査で器質的な変化が見られ、また、検査値が正常値の10%以上でずれる場合があります。この段階では、自分でどうこうしていくというよりも、専門家(=医師)の治療を受けなければ改善していくことは難しいといえます。

その特性をもって、未病Ⅰを「自立支援的未病」、未病Ⅱを「治療支援未病」と呼ぶこともあります。

メタボリックシンドロームはまさに未病であり、メタボリックシンドロームの経過の段階によって未病Ⅰと未病Ⅱに分けることができます。

これまでの医療は、検査の結果が多少正常値から外れていても、「ちょっと高め(低め)ですから注意して下さい」で済まされていました。

しかし、メタボリックシンドロームは、健康と病気の間に位置するグレーゾーンからその対象となります。ひとつひとつの危険度が小さい軽度の異常でも、それがいくつか重なることで動脈硬化を急激に進め、最終的には心筋梗塞などに代表される重篤な病気を起こす可能性が高くなることがわかってきたからです。

健康と病気の間に位置するグレーゾーン、それはまさしく「未病」の状態です。自覚症状がないことから、西洋医学的未病の状態といえるでしょう。軽度の異常が集まったメタボリックシンドローム、それは典型的な現代の未病なのです。

これらは、食生活改善と積極的な運動を並行して行なうことにより、初期であれば2ヶ月ほどで約70%が改善されるとしています。

メタボリックシンドローム対策ガイド

岩盤浴やデトックスなどの健康関連の話題がよくメディアで取り上げられていますが、メタボリックシンドロームもまたよく耳にする言葉の一つですよね。メタボリックシンドロームは日本人の生活習慣の乱れが招いたともいえる病気ですが、症状がはっきりと出ないため、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。当サイトでは、メタボリックシンドロームに関する知識をはじめとして、日本人がおちいりやすい病気や、生活習慣病に関する知識や予防法をご紹介します。